半導体技術の進歩により、演奏情報を符号化して半導体メモリーに記録、再生する装置が考案された。これがデジタルシーケンサーである。演奏情報を符号化することにより数値入力が可能になった。
デジタルシーケンサーには大きく分けて2種類の入力方法があった。一つはシンセサイザーの鍵盤からCV/GATE信号をもらってシーケンサー内部でA/D変換してメモリーに記録し、再生時には読み出してD/A変換してCV/GATE信号を出力する物。ローランドのCSQシリーズなどがこれにあたる。もう1種類はMC-8やMC-4のようにシーケンサー本体に搭載されたテンキーによる数値入力である。これは数値情報を直接メモリーに記録し、再生時にD/A変換された。
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デジタルシーケンサーの最初の製品は1974年にオーバーハイムの設立者であるトム・オーバーハイムによって世に送り出されたDS-2である。アナログシンセサイザーとCV/GATEにより接続し、72イベント[2]の記憶容量を持つモデルであった。このシーケンサーがクレジットされた作品は1974年発売のジェリー・グッドマン&ヤン・ハマーによる「Like Children」があげられる。
そして1977年にローランドのマイクロコンポーザーMC-8が本格的なコンピュータ制御によるシーケンサーとして登場した。ゲートタイムやとステップタイムという概念が生まれたのもこのMC-8からといわれる。当時大卒の初任給が10万程度の時代にMC-8は販売価格120万円という極めて高価な代物であったが、この誕生によって音楽界は爆発的にデジタル化が進むこととなった。
MC-8の仕様は以下の点で画期的であった。
標準搭載のメモリー容量で5400音というアナログシーケンサーでは実現不可能な大記憶容量を実現した。
8系統のCV/GATE出力を持ち、独立したパートの演奏が可能になった。
外部にデータレコーダを接続することでデータを記録、保存できるようになったこと。これにより演奏情報のライブラリ化が可能になった。
テープレコーダーに同期信号を記録することで、テープレコーダーとの同期演奏が可能になった。ただし曲中からの同期はMIDIの登場を待つ必要があった。
正確なテンポコントロールが可能になり、例えばCMなどのように15秒、30秒といった長さが決まっている作品の制作効率が劇的に向上した。
日本ではイエロー・マジック・オーケストラのサポートメンバー松武秀樹がシンセサイザーモーグIII-Cと共に使用したことでも知られるが、デリケートな装置でライブ中に熱暴走することもしばしばだった、というエピソードも残っている。
同時期にポリフォニックシンセサイザーの発音制御にCPUが用いられるようになった事を受け、外部に対してデジタル信号の形での演奏情報のやりとりが模索されるようになる。ローランドはDCB規格を制定し、MIDI規格が登場するまでの短期間これを利用した。